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タイ生活備忘録/その他

ジュセヨ運転手

過去記事にて、運転手の問題について触れました。
そんな思い出を不定期にふりかえらせていただきます。

meehaa.hatenablog.com

 

ジュセヨドライバー

総合的に勤務態度の良くない運転手

もう2年以上前の話になるだろうか。
その時の運転手は、遅刻はするわ運転中に居眠りしそうになるわで、いつもハラハライライラしていた。それでも赴任直後の自分は、自分の接し方でなんとかなるはずだと根気よく我慢していた。

そんな自分の我慢を後悔させる出来事が起こったのだった。

 

おや?うんてんしゅのようすが・・・

ある日、仕事が終わって車に乗り込み、帰路を急いでいた。
私が急いでいるのを感じ取ったのか、今日の運転手、高速道路でスピードめちゃくちゃ出してる。

最初は早く帰りたかったから黙っていたが、スピードの出し方がおかしい。
なんだか、断続的にアクセルを踏んでいる。
スピードメーターを見ると、時速80~140kmを行き来している状態。
(会社のルールでは最高時速100kmとしている)

こいつ、大丈夫か!?何か脳梗塞とかなってないか?と感じ、運転手に「急がなくていいから時速100kmを保って」と指示。
運転手は「カポン(カップの上位変換)」と言い、一時は100kmを維持。

ウトウトし始めたころ、G(重力)を感じてハッと起きた。
スピードメーターはまた140kmを指しており、スピードは衰えるどころか上がろうとしている。

「運転手、気でも失ったか!?」とミラー越しに顔を見ると、起きている。
目が合うと、慌てたように笑顔を見せてスピードを戻す。
「なんかおかしいな・・・」と注意深く伺っていたら、何かを感じたのか色々話しかけてきた。

「雨降りそうですね」
「明日は晴れますかね」
「今日は渋滞ないですね」
「昨日の渋滞はひどかったですね」

などなど。
こんな世間話は、今まで話したこともないフレーズばかり。いよいよなんだか怪しい。変だな~変だな~、と、稲川淳二の階段のように嫌な予感が立ち込める。

高速を降りて信号待ちの時、私が怪しんでいる空気を感じて手持ち無沙汰になったか、運転手は自分のバッグから飲み物のボトルを取り出し、グビッと一口飲んでバッグに戻した。

 

ん?そのボトル、見たことあるような。
っていうか、瓶?
みりんの瓶みたいな色してるけど、何飲んだ?

 

・・・と、何だか気になった嫌な予感は的中した。
バッグの中に手を入れて取り出したボトルを見て、私は青ざめた。

 

チャミスル 韓国焼酎 【360ml×3本】

チャミスル 韓国焼酎 【360ml×3本】

 

 

チャミスル・ジュセヨである。

まぁ、みりんっぽい瓶っていうのはなんとなく合ってたかな…
"昨晩の酒が残った飲酒運転"は想像できるが、まさか"飲酒しながら運転している"とは思っていなかった。
「うえーーー!マジで!!!」と大声を上げて驚く私を見て、運転手も焦ったのかとっさに放った一言は下記の通り。

 

「BOSS、飲んだのちょっとだから大丈夫です」

 

もう、怒りとかそういうのを完全に超えて、呆れも超えて、恐怖しかなかった。
チャミスルの瓶が好きなだけで他の飲み物を入れているという可能性を信じ、中身の臭いを確認したが、純度の高い焼酎であることを確認できただけだった。

 

それから家に着くまでの間、気が気ではなかった。
今だったらその場でクビを言い渡し、自分で運転して帰れるくらいの度胸と方向感覚は備わったが、赴任当時は道もわからないしバンコクの道を運転する自信もない。

ジュセヨドライバーの運転で、無事に帰宅できることを願うしか無かったのだ。

運転手は必死に「ほんとにちょっとなんで!」と摂取量の僅かさを主張しているが、内容量的に恐らく3分の1は飲んでいただろう。

「嘘つけ!」と、今の感情にまかせてワーッと叱ろうとするも、踏みとどまった。
なぜなら、パニックになったり逆ギレしたりしかねない。
今の状態で一番安全なのは、これ以上状況を悪化させないことだ。

もう、だんまりを決め込んで家まで祈ろう。
そう覚悟を決めて、私はチャミスルの瓶を握りしめた(テンパった運転手が間違ってこれ以上飲まないように)。

 

駐車場に無事車庫入れを済ませ、車の鍵を受け取ったところで、「あなたクビね。明日から来ないでね」と言い渡すと、意外な返事が返ってきた。

「いや、ちょっとですし!大丈夫ですって!

何が大丈夫だというのか。
もう、一刻も早くこの場から離れたい。
そんな感情を押し殺し、拙いタイ語でなだめて家に帰った。

 

翌日、総務に事の成り行きを話したところ、チャミスルを持っていた原因が判明。
原因は、我が社のスタッフであった。
というのは、我が社のスタッフは長期休暇を使って韓国に旅行し、土産として運転手にチャミスルを渡したのだという。
その土産もどうなのよ、とは思うが、その場で味見をしてしまって楽しくなっちゃって結構飲んじゃったかと思うと、なんだかもう考えるのをやめたくなった。

その後、総務から運転手に電話して正式に理由を言い渡してもらった所、「ちょっとだけ飲んだんですよ」と弁解し、まだ働きたいと言っていたらしい。
っていうか、それをそのまま「まだ働きたいって言ってますけど、どうします?」と聞いてくる総務、あんたもちょっとマズイよ。

 

みなさまもお土産のチョイスにはお気をつけ下さい。