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タイ生活備忘録/その他

ペルー・ボリビア旅行記 番外編 -空港で怪しまれた-

ウユニ塩湖の記録で終わらそうと思っていた旅行記。

だが、一つ、面白い体験を思い出したので記録しておこうと思う。
体調最悪状態から回復した、帰路の中継点、ヒューストンで起こった話。

 

事の経緯

 

リマの空港でチェックイン

リマに到着した時は、ウユニ・ラパスでの体調不良のヤマを超えていた。

リマからはヒューストン→成田→バンコクという乗り継ぎがあるものの、United Airで航空券を一括手配しているため、リマでチェックインを終わらせてしまえばスーツケースをピックアップすることもなくバンコクまで到着することができる。

張っていた気も緩み、健康状態も回復して無事にチェックインを完了。
発券された航空券に少し見慣れない文字が書かれていたが、あまり気にせずに最後の南米空港を満喫した。

もう、バンコク到着までのネガ項目はすべてクリアーしたと確信し、次なる中継地点のヒューストンに向かった。

 

ヒューストンで乗り換え

ヒューストンの空港で入国手続きを済ませ、乗り継ぎのためそのまま保安所に向かう。

すると…
なんか、デカイアメリカ人が「あなた達はコッチ来て」と。
夫婦ともども、保安所に並ぶ搭乗客とは違うルートで検査機に向かう。

英語が達者ではないので、色々言われていたが完全には理解できず、かと言って「Yes」と言ってしまうとなんだかヤバイ気がして曖昧な返事をしていた。


乗客員に横入りするような感じで検査機に到着。

「じゃ、検査機を通ってみて」

とデカイアメリカ人に促される。
他の人は普通に検査機に入るだけで流れ作業なのに、何故か我々は検査員にガン見されている。

ここまでの奇妙な行動でうすうす感じていたが、
「よくわからないけど、俺たち怪しまれてるんじゃね?」
という疑問が確信に変わっていった。

しかし、我々は何も悪いことをしていない。
アメリカの検査はうるさい厳しいことも前情報で掴んでおり、怪しいと思われるものはお土産としても買っていないし持ち帰っていない。
「これは大丈夫よ」と言われていたコカ茶のティーパックですらここまでの道程で捨ててきた。

これ以上変に怪しまれないためにも、この状況に萎縮せずにできるだけ堂々としていることが一番だと思い、堂々と検査機に入る。
往路と同じ、普通のゲートではないCTスキャンの筒が縦になったような検査機である。
バンザイをした状態で検査機に入り、グルッ!とセンサーが回る。


ここで予想外の出来事。
検査機のセンサーに引っかかってしまった。
検査機が鳴ることなんて、普通でもあまりあることではない。

なんでこんな変に怪しまれている状況で鳴ってしまったのか…
自分でも、何が原因で鳴ったのかわからないまま、探知機でのボディチェックが始まった。

ベルトもしていない、時計も外した。ケータイもカゴの中である。
「なんだろう…」と思っていると、お腹をさした時点で探知機が「ピュイーーーン」と反応した。

 

お腹?
パっとシャツの裾を上げ、ヒートテックに覆われたお腹を見てハッとした。

 

そう、私は数時間前まで、極度の体調不良で下痢に襲われていた。
下痢緩和を図り、私のお腹には、剥がし忘れたはるオンパックスが貼られていた。
既に冷えきってしまい機能を果たしていないが、

黒い粉末を白い袋に包み、
お腹に貼って、
シャツで隠して、
検査機を通った

という客観的な事実が発生した。

当方が隠し持っていた黒い粉

「なんだこれは…?」的なアメリカ人の反応。
お腹からはるオンパックスを剥がすよう促され、手渡した。

それはそれは、使命を全うし終えたはるオンパックスを慎重にチェックしている。
アメリカではホッカイロの存在がメジャーではないのかもしれない。
その手つきは、警察密着24時で袋に小分けにされた白い粉末を扱うソレ、もしくは爆発物等の危険物を扱うアレと完全に一致していた。

凄い体格のアメリカ人がホッカイロを怪しんで、そーーーっと触っているという光景のあまりのシュールさと、「これをどうやって説明すれば穏便に済むんだ」という頭のフル回転により、私の顔は自然と笑顔になっていた。

一応、つたない英語で
「これは暖かくなるためのツールで、もう使い終わっているから冷たい」
的な表現をしてみるが、「は?」みたいなリアクションを見せ話を聞いてくれない(たぶん私の英語の意味がわかっていないのが9割)。
こんな時の頼りのチート「Google画像検索」も、スマホが検査対象になっているため手元に無く、発動できない。

その後、はるオンパックスは検査紙のような何かで入念に拭かれ、紫外線があたっているようなセンサーに当てられたり、他の人にみせられたりされて、保安所のアチコチを暫く彷徨った。

この時には既に開き直って「まぁ変に怪しまれていきなり取調室に連れて行かれるよりは、この場でアレが入念にチェックされて問題ないって分かられたほうがいいや」と思い、その光景を楽しんでいた。

はるオンパックスが色々なアメリカ人に触られている間、私のカラダもリュックの中身も入念にチェックされた。ビデオカメラや常備薬入れなども全部紙で拭かれて何かをチェックしている模様だった。

はるオンパックスを差し出された空港のスタッフの方達は決まってこちらをチラチラ見てくるし、面白いを通り越して「なんかホッカイロで騒がせちゃってスミマセン」的な感情すら湧いてきた。

それからほどなくして、検査も終了。
どうやら無罪放免となったらしく開放された。
その時間、30分位はあっただろうか。
保安所でこんなに時間を使ったのは初めてだ。

もちろん、さんざんお騒がせした冷えきったはるオンパックスは、その場で廃棄された。
アディオス、トラブルの原因。

 

その後奥さんと合流し、聞いてみたところ、同じように手荷物を根掘り葉掘りチェックされ、同じように楽しんでいたようだ。
奥さんの場合、おみやげに買ったアルパカの人形も入念に拭かれていたことが面白かったと言っていた。

ヒューストンで丁寧に拭かれたアルパカ氏
奥さんがこういう状況を楽しんでくれる人でよかった。
 
 

原因を調べてみた

 

感じていた違和感

そもそも、なんでこんな目にあったのか。
いきなりチェックイン時に「はいこちら~」と案内された段取りの良さから、その場で怪しまれたというよりは何かしら決まっていた行動のように思えた。

気になったのは、航空券に感じた違和感。
ふとチケットを見返してみたところ、見慣れない "SSSS" という文字が印刷されていた。

 

外部サイトより転載。光り輝くSSSSの文字

帰国後にネットで調べてみたところ、

Secondary Security Screening Selection

と呼ばれるシステムらしい。
これに選ばれた人は、特別に厳しい検査を受ける対象となるとのこと。

色々調べていると、このシステムに選ばれる条件として 

  1. 片道の航空券しか持ってない人
  2. 監視リスト(watch list)に載られた人
  3. 航空券を購入する時、身分証明(IDやパスポート)を提出してない人
  4. 無作為(ランダム)選択

とのこと。3と4が当てはまる。
面白おかしくSSSSを説明しているこの記事が一番わかり易い。

他の記事では、目的が爆発物の検査的な事も書かれており、

  • はるオンパックスの砂鉄=火薬
  • 腹に巻く=自爆テロ

そんな可能性を持たれていたのかもしれない(厨二病の憶測ですが)。
そりゃ、爆発物の検査となれば、どんな物も慎重に扱うのは当然である。

リマからバンコクに戻る日本人、っていうのが珍しくて引っかかったんだろうか。
それとも単なるランダムで選ばれし者になったのか。
SSSS対象になった根拠はわからないが、色々検査をされた理由が"SSSSとチケットに書かれていたから"、ということは明確になりスッキリした。

ただ、1回SSSSに選ばれると次回も選ばれる確率が高いとのことで、なんだか面倒だ…
常に選ばれし者で居続けなくてはいけないと思うと、マジめんどくさい。

唯一のメリットは、チェックインから保安所までエスコートして頂けるということだろう。
まぁ、アメリカ大陸に降り立つことなんてこれから先何度あるかわからないが。

皆様もSSSSと記載されたチケットが発券されたら、どうぞアメリカの最上級の検査を楽しんで下さい。

ちょっと違う体験をしたければ、

はるオンパックス、お勧めです。

(まだあったかいやつだと、もっと騒いじゃうかな…)